農産食料流通工学研究室に配属を希望する学生さんへ −SAVE FOOD− あなたは食品を守れるか?


農産食料流通工学研究室では、農産物の収穫から消費に至るまでのポストハーベスト技術の構築と、そこに見られる諸々の生命現象や物質変化の究明・解析を教育・研究の対象としています。

ポストハーベスト技術とは...研究紹介ページにも示していますが、乾燥、調整、低温流通、貯蔵、加工等、農産物を食卓に運ぶ際に必要なあらゆる技術のことを指しています。

このようなポストハーベスト技術の高度化を目指すにあたり、必要になる素養は何か?もちろん、熱意・やる気・体力が最も必要となってきますが、農産物という非常に複雑怪奇な研究対象を相手にするため、植物生理学、微生物学、食品工学、遺伝子工学、熱力学、、、、等々、様々な学問を習得することが必要となります。

例えば、生鮮農産物を福岡糸島の農家から東京に高鮮度を維持しながら輸送することを考えます。そこにはどのような学問が必要となるでしょうか?

まず、農産物個々の生理現象を把握する必要があります。保存温度が高ければ呼吸活性や老化ホルモンであるエチレンの生合成を促進させるし、あまりに低温だと低温・凍結障害によって褐変や黄化の原因となります。このような現象を把握するため、植物生理学の知識は欠かせません。

次に、温度制御を含め、最適な貯蔵環境を創出しなければなりません。温度は熱力学の法則に従って変化します。また、冷却空気の通風方式の違いによって農産物の冷え方も大きく異なります。荷積みの方法によっても変化します。また、輸送中には振動等の衝撃も発生し、あらゆるストレスが農産物には与えられています。このような問題を解決するためには、幅広い知識も必要となります。

さらに、生鮮農産物は生食する場合もあるため、微生物の増殖が問題となります。微生物は農産物の腐敗の原因となるのは想像に難くないですが、その表面ではバイオフィルムを形成したり、毒素を産生したり、色々な問題を発生させます。それらの解決には微生物学、遺伝子工学、数値解析学などの知識が必要となります。

このような研究の内容から、生物生産システム工学の学部授業では生物、化学のみならず、数物系の授業もカリキュラムにはいっています。

美味しく、安全な農産物を安定的に消費者に届けるために、どのような技術が必要で、何を解決すべきなのか、日々、黙々と、楽しく研究に取り組んでいます。このような諸問題の解決に興味があり、熱意のある学生さんの農産食料流通工学研究室への進学を心よりお待ちしています。
気軽に研究室へ足を運んでください。

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